賭博とは、お金や景品を賭けて勝敗を競うことです。今回は賭博やギャンブル、博打の意味や種類、法律や刑罰、ギャンブル依存症の対策方法などについて解説します。健全なギャンブルを楽しむためにご覧ください。
ギャンブルとは簡単に言うと、金銭や景品などを賭けて勝負を競う賭博を意味します。ただ、文化や法律によって解釈は異なるため、「物やお金など価値あるものを賭ける行為」、もしくはそのような行為を商業化したものが、ギャンブルと総称されています。
「ギャンブル」は英単語のgambleを日本語にしたカタカナ俗語であり、英語圏では「gambling(ギャンブリング)」の方が一般的です。また、ギャンブルは、特定の遊びではなく賭け事そのものやお金を賭ける娯楽、その行為や習慣といった広範囲を指します。
なお、gambleという単語は、娯楽としての賭博も含む考え方であり、危険性の高い冒険や潜在性のある利益に手を付けることを指す場合もあります。
ギャンブルの最初は、原始時代に石や聖なる枝などを投げ、地面への遠方で未来を占っていたところまで遡ります。後に運に賭けるゲームとなり、ギリシャ人がダイスをローマ人に伝えたとされています。
一方で、14世紀頃に訪れた冒険家や商人によってカードゲームがヨーロッパへ持ち帰られ、文化の一部となっていきました。15世紀までにヨーロッパ全土で1セット56枚のカードの生産が始まると、ギャンブルは一気に火が付き、17世紀のアメリカ開拓とともに浸透していったと言います。
こうしてヨーロッパとアメリカを中心に多様なギャンブルが各地に広がっていきましたが、人気が出る度に法律などの規制が入る流れは今も昔も変わらないようです。
ギャンブルと賭博はどちらも賭け事を表しますが、現在はニュアンスや背景が若干異なります。ギャンブルは、どちらかと言えば競馬など合法とされている賭け事を指して使われます。一方、賭博というと麻雀賭博や裏カジノのように、違法なものに対して使われる傾向があります。
なお、賭博は何らかの財産を賭ければ成立することになり、まったくの偶然で勝敗に物品を賭けた場合でも該当します。賭け事が賭博であるかをわけるのは「一時的な娯楽物」かどうかの判断です。
賭博と似た「博打」の意味もおおむね同じですが、違いもあります博打とは、賭博の一部の賭け事を指し、トランプカードや花札に限定されています。
代表的な博打にはさいころ賭博や花札賭博があり、さいころを使った丁半博打はリスクが大きいことから、江戸時代より禁止となりました。
歴史あるギャンブルは、古くから行われてきた伝統的なカジノゲームから、近年人気のオンラインカジノゲーム、スポーツブックなどの種類があります。日本では公的に認められている公営ギャンブルもいくつかあります。それぞれの特徴や還元率などについて解説します。
ラスベガスやマカオ、シンガポールなどの海外のランドカジノでプレイできるゲームは、トランプカードやサイコロなどを用いるテーブルゲームと、スロットなどのゲームマシン系などに分けられます。
本場のカジノで定番の伝統的なゲームからオンラインカジノの人気ゲームまで、カジノゲームの主な種類を以下の表にまとめました。
ゲーム名 | ゲームの特徴・概要 | 還元率 |
ルーレット | ホイールにボールを投げ入れて落ちる番号を予想する | 約96〜97% |
バカラ | 9に近い数字が出るカードを当てる | 約98.90% |
ポーカー | カードの組み合わせで役の強さを競う | 約95〜99% |
ブラックジャック | カードの合計が21に近い方が勝つ | 約99% |
ビデオスロット | コインなどを投入してリールを回す | 約95%〜 |
クラップス | 2つのサイコロの出目の合計を予想する | 約98.59% |
シックボー | 3つのサイコロの出目を予想する | 約95〜97.2% |
キノ | 宝くじやLOTOのように数字を予想する | 約60% |
クレイジータイム | 巨大なホイールが止まるマスを予想する | 約94.4% |
クラッシュゲーム | グラフの倍率が高いところを狙って賭ける | 約97% |
スポーツベッティングは、スポーツの試合を対象にしたギャンブルです。野球やサッカー、テニス、アイスホッケーなどあらゆる試合において、勝敗や得失点差などのさまざまな要素を予想して、当たると配当金を受け取れます。
オンラインカジノやブックメーカーなどのサイト上では、リアルタイムの試合をストリーミング配信で観戦しながら賭けることも可能です。スポーツ観戦が好きな人なら、強いチームや相性などを把握した上で勝敗を予想できるため、的中率を高められるでしょう。還元率は約90〜98%前後です。
日本国内ではカジノは公的には認められておらず、代わりに公営ギャンブルと呼ばれる以下のようなものが認可されています。
ゲーム名 | ゲームの特徴・概要 | 還元率 |
競馬 | 馬のレースの順位を予想する | 約70〜80% |
競輪 | 自転車に乗ったレーサーの順位を予想する | 約75% |
競艇(ボートレース) | ボートレースの着順を予想する | 約75% |
オートレース | 小型自動車によるレースの順位を予想する | 約74.8% |
宝くじ | 購入した券が抽選で当たれば賞金をもらえる | 約46% |
スポーツくじ(toto) | Jリーグや海外サッカーの試合結果を予想する | 約49.6% |
ただ、競馬のように単勝や複勝など賭け方が多いものは、還元率には幅が出ます。また、単勝と複勝は還元率が同程度でも、複勝の方が配当金は低めです。
なお、公営ギャンブルは地方自治体が道路や学校、下水道などの公益事業を推進するための財源という位置付けでした。バブル崩壊後は売上高や入場者数が減少を続けており、事業収支の悪化から撤退に追い込まれる施設も出てきています。
パチンコやパチスロは、日本人にとって身近なキャンブルの1つです。民間企業が運営しているため民間ギャンブルと言われます。
ゲーム名 | ゲームの特徴・概要 | 還元率 |
パチンコ | お金で玉を借りて打ち、当たりが出ると出玉を獲得する | 約80%~90% |
パチスロ | コインを投入し、リール上に図柄を揃えると当たり | 約80%~90% |
いずれも獲得した玉やコインは、景品と交換するか、現金に換えることが可能です。公営ギャンブルよりも還元率は高めですが、店舗側が当たる確率を自由に設定できるため、あくまでも目安として捉えると良いでしょう。
ギャンブルに関する日本の法律には、以下のものがあります。
それぞれについて詳しく解説します。
刑法第185条は、常習賭博及び賭博場開張等図利に関する法律で、条文は以下の通りです。
(引用)
第百八十五条
賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
引用:刑法第185条
ここで言う「賭博」とは、2人以上が「偶然の」勝敗によって、金銭などの財産上の利益のを争う行為を指します。また、「一時の娯楽に供する物」に該当するかどうかについては、価格や即時性などを加味して判断されます。
一般的には、身内同士でお茶や飲食物を賭けて、じゃんけんで負けた人がおごる、といったものがこれに当たります。ただし、現金など金銭そのものの受け渡しがあるとき、金額に関わらず、「一時の娯楽に供する物とどまらない」と判断されるケースが多いため注意が必要です。
刑法第186条では、賭博を常習とするケースにおける刑罰を、以下条文の通り定めています。
(引用)
第百八十六条
常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
(富くじ発売等)
引用:刑法第186条
一時的な賭博では罰金で終わる可能性がありますが、常習だと判断された場合には懲役が課されることもあります。また、カジノ店の運営など賭博場の開帳も常習とみなされます。
具体的な刑罰の種類については、後ほど詳しく解説します。
ギャンブル等依存症対策基本法は、2018年10月5日に施行された「平成三十年法律第七十四号」の法律です。ギャンブル依存症の本人や家族が、日常生活や社会生活における支障を解消するために、総合的かつ計画的な対策により健全な生活の確保と、安心して暮らせる社会環境の実現を目指しています。
例年5月14~20日を「ギャンブル等依存症問題啓発週間」とし、国及び地方公共団体でギャンブル等依存症に関する関心と理解を深めるための活動を実施しています。
違法賭博を行ったことが認められると、刑罰の対象となる可能性が高まります。ギャンブル犯罪は「賭博罪」に該当しますが、以下のような種類に分けられ、刑罰の内容も大きく変わります。
具体的な内容をわかりやすく解説していきます。
賭博罪は、金銭や価値のある財物を賭けた際に適用されます。有名人が違法賭博を行ったために逮捕されたニュースなどは、賭博罪のケースがほとんどです。賭博罪が成立する条件は「金銭や車、宝石などの財産の得喪を争うこと」に加えて、双方にリスクがあることが前提です。商品や金銭を賭けたビンゴ大会などは、主催者にしか負担がないので賭博には該当しません。
「一時の娯楽を供する物」である食べ物や飲み物の賭けは対象外ですが、トレーディングカードを賭けた勝負では賭博罪が成立しうるため注意が必要です。
賭博罪には、大きく分けて「単純賭博罪」と「常習賭博罪」の2つがあり、後者は懲役刑が定められいるため、今後の生活に大きな影響を与える可能性があるでしょう。
単純賭博罪とは、刑法第185条に定められた賭博罪に該当する際の懲罰です。一時的な賭博に加担したと判断された場合に、50万円以下の罰金又は科料が課されます。俗に単純賭博と呼ばれ、略式起訴も選べる比較的軽い懲罰ではありますが、逮捕や勾留の可能性もあるため慎重に選ぶ必要があります。
単純賭博罪は常習性がないことが条件で、常習性の有無については、賭けの種類や金額などが総合的に考慮されます。よって、警察の取り調べの際に話す内容によっては、単純賭博罪ではなく「常習賭博罪」というより重い刑罰になる可能性もあるため注意しましょう。
賭博を常習的に行っていたと判断された場合には、単純賭博罪ではなく刑法第186条に定められた「常習賭博罪」に該当します。ここで言う「常習」とは、金額や前科を踏まえて総合的に判断されるものです。常習賭博の場合、量刑は3年以下の懲役と比較的重くなります。
カジノ店(インカジ)など、金品を賭ける賭け事ができる場を提供した場合には「賭博場開帳等図利罪」に該当します。刑法第186条2項にて以下のように定められています。
(引用)
第百八十六条
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
引用:刑法第186条
賭博場開帳図利罪は、3ヶ月以上5年以下の懲役が課されます。一時的に賭博に参加するのと、賭博場を開設するのとでは懲罰に大きな差があるため、小額のギャンブルでも主催することは避けましょう。
多くの場合、賭け事で得た配当や勝利金は「一時所得」に分類されます。賭博で得た勝利金は原則として課税対象であり、他の一時所得の合計額が年間50万円未満であれば確定申告は不要ですが、ギャンブルの種類により変わります。
オンラインカジノで得た賞金も一時所得のため、年間50万円を超える所得を得た場合は確定申告が必要です。競馬や競輪、オートレース、ボートレースなどの公営ギャンブルやパチンコも一次所得の対象です。
しかし、日本で購入した宝くじやLOTO、ミニLOTOなどは税金が含まれているため、別途課税されることはありません。
賭博のうち、どこまでが合法なのか、違法な賭博との線引きに迷う人もいるでしょう。一般的な娯楽であっても、金品の賭けが関与することで賭博罪の対象となる可能性があります。
以下は賭博罪とみなされる、もしくはその可能性の高いギャンブルです。
パチンコ店や金銭のやり取りがないアミューズメントカジノに飽きてしまった人などが、上記に流されるケースも報告されています。リスクを回避するためにも、関与しないよう気をつけましょう。
オンラインカジノに関する法律が整備されていない現時点では、限りなくグレーゾーンと言えます。オンラインカジノに関する逮捕事例が出ていることは事実ですが、逮捕後に不起訴になったケースもあり、すべてが賭博罪に該当するわけではありません。
ただし、オンラインカジノが海外にあっても、現地の賭博法でギャンブルが認められていない場合は違法性を指摘される可能性があります。賭博が合法の国のサーバーを用いていれば、存在自体は合法であり、日本を含む全世界に向けて集客することも問題ないと言えるでしょう。
オンラインカジノを利用する際に、合法ライセンスや運営会社について確認することが重要と言われるのはこうした背景からです。
どのギャンブルであっても、リスクが伴うため健全な付き合い方をすることが重要です。勝ち負けによる高揚感が強い賭博は依存性が高く、パチンコによるギャンブル依存症に陥る人も少なくありません。当事者だけでなく家族や周囲の人にも影響を及ぼす可能性が高いため、責任あるギャンブルのために大切なポイントを押さえておきましょう。
ギャンブルで勝てば大きな利益を手にできる確率がありますが、冷静さを失ってしまっては勝てるチャンスは少ないでしょう。オンラインカジノであれパチンコであれ、戦略的かつ安全な利用を心がけることが重要です。
具体的には以下のようなポイントが挙げられます。
プロのギャンブラーでも、もれなく資金管理を徹底しています。また、長時間一気にプレイするのではなく、休憩を挟みつつ、ゲームを気楽に楽しめる自分のペースを見つけることも大切です。
ギャンブル依存症とは、ギャンブルを行わないと日常生活に支障が出るような精神疾患のことです。世界保健機関(WHO)でも「ギャンブル障害(ギャンブリング障害)」「病的賭博」といった名称がつけられており、世界的な問題に発展しています。
勝ち負けによる高揚感が激しいギャンブルは、中毒性が高いため、依存症になる可能性もあります。依存症に陥ってしまうと、日常生活や社会生活に支障が出る上、家族やパートナーなど身近な人にも悪影響を及ぼすため注意が必要です。
ギャンブル依存症を回避するためにも、日頃から以下のような具体的な対策を取り入れることをおすすめします。
ギャンブル依存症をはじめ、ギャンブルに関する問題を抱えている場合や、健全な使い方が難しいと感じる場合には、専門のサポート機関に相談することも有用です。依存症の症状が出ると、対策の効果が表れるまでに時間を要する場合があり、根気よく取り組む必要が出てくるでしょう。
各オンラインカジノでもサポート機関を紹介していますが、代表的な相談先には以下のようなものがあります。
日本国内でも以下のような機関で相談が可能ですので、ぜひ参照してみましょう。
各オンラインカジノでは、責任あるギャンブルのために有効な対策を講じています。プレイヤー自身が設定できる自己規制ツールをはじめ、段階的に取り組める対策も含まれています。主な設定項目としては、以下があります。
設定できる項目や方法はオンラインカジノごとに異なるため、やり方についてはカスタマーサポートに尋ねてみましょう。
すべてのオンラインカジノは、通常18才以上(または満20才以上)という年齢制限が設定されており、登録時に生年月日を証明する身分証明証などの提示が必須です。イギリスなど海外では、子どものギャンブルを合法的に認可している場合もありますが、カジノサイトを利用するためには条件を満たしている必要があります。
大人がついていても、子どもにカジノゲームをさせることが将来的な依存症と関係する可能性も指摘されているため注意が必要です。
ギャンブルとは簡単にまとめると、金銭や品物を賭けた賭け事で勝負することです。賭博やギャンブルと呼ばれるものにはいくつかの種類がありますが、現在の日本ではカジノ施設はなく、公営ギャンブルやパチンコのみが公的に認められています。
それ以外の賭博は原則禁止されているため、一時的な娯楽でない場合には意図せず賭博罪が課される可能性があるため注意が必要です。オンラインカジノを利用する際には、海外で合法的に運営されており、現地の賭博法を遵守していることやライセンスの有無を必ず確認する必要があります。
ギャンブル依存症のリスクを避け、合法な範囲で安全に利用できるよう必要に応じて対策を取り入れましょう。
賭け麻雀は賭博に該当するため、違法として摘発される場合があります。ただ、金品を賭けることなく純粋に麻雀を楽しむ目的の場合は、賭博罪の可能性は低いでしょう。
パチンコは法律上、ギャンブルとは認められていません。民間ギャンブル、もしくは準公営ギャンブルとも言われるパチンコ店は、景品と交換する仕組みが前提であるため、プレイしたからといって賭博罪に問われることはないでしょう。
法律で認められていないギャンブルを利用した場合、違法性があるとして検挙、逮捕されるリスクがあります。やってはいけないギャンブル一覧としては、営業許可を得ずに運営されている闇スロットや賭け麻雀、賭けゴルフなどの賭けスポーツなどです。日本を拠点とするインカジも現時点では違法なので注意しましょう。
過去には、野球選手が野球賭博を利用したとして、賭博開帳図利罪などに問われた事例があります。また、国内に居住しているオンラインカジノの運営者が有罪とされた判例も報告されています。
一般的な依存症と同じように、ギャンブル依存症の症状は人によってさまざまです。例えば、自分をコントロールできなくなる、日常生活や社会生活、身近な人との関係い支障をきたすようなトラブルです。もし感情を制御できないと感じたら、依存症の可能性が考えられるので専門機関などで相談することをおすすめします。
小林翼(Tsubasa Kobayashi)は、仮想通貨オンラインカジノに特化した経験豊富なコンテンツライターです。彼は長年のキャリアで、仮想通貨とカジノの世界に深い知識を蓄積してきました。 彼の筆致は、複雑な仮想通貨の概念やカジノゲームのルールを分かりやすく説明するのに優れており、読者に価値ある情報を提供しています。彼は業界のトレンドを把握し、最新のニュースや革新的なプラットフォームについても継続的に研究し、その情報を分かりやすい言葉で表現します。
おすすめ仮想通貨カジノ